物質としての人間がひとり消えてしまった。
骨は白くて小さかった。あんなのが体を支えていたのか。
昔は無条件で好きだった。甘やかしてくれた。
ただ、ある日、この人はだめなひとだと思ってしまった。
相手に何もさせないことが優しさだと信じて愚直にそれをし続けていた。
自分を変えない潔さと誇り高さと欠損を隠して戦ってきたのかな。ずっとどこかピリピリしていた。
大人になりたかったのかな。わたしたちの存在が嬉しかったのかな。
ただ、今日あの場にいた4人が本当に大事なもので、4人がいればよいのだ、と思ってくれていたのかもしれない。
宝物だったのかな。
わたしはお母さんが大好きでひどくつらいこともされたし不器用だし、未だに褒めて欲しくてたまらないし。
でもお母さん苦しめたことは今でも覚えてるしでもそれはわたしが関わることではない。
夜に書く文章は酷いものだから絶対にやめなさいと教えてくれた。
わたしは薄情でいますぐ思い出せることも貰った言葉もボロボロこぼれてしまって。
吐き出してしまいたい。
なんでそんなことするの。謝罪なの。懺悔なの。利用し合ってんの。
一生たかられんのかな。
いやだ。そんな相手なら一人で生きたい。
でも見捨てたくはない。あまいのかな。
家族を作りたくない。巻き込みたくない。でも誰かが欲しいけど、一緒にいたい人をこんなことに巻き込みたくない。
とっとと誰か結婚してほしい。
一生を保障する人をみつけて離れてほしい。
こんな日に何を思うのか。
いつかくる終わりがこわい。